【DTM】ボーカルのミキシングテクニック〜歌の存在感をもっと引き出す方法〜

【DTM】ボーカルのミキシングテクニック〜歌の存在感をもっと引き出す方法〜

“歌ってみた”などのカラオケに歌を合わせた動画をたまに見るのですが、ただ歌とオケを合わせただけのものから、しっかりミックスしたものまで色々ありますね。歌ももちろん聞くのですが、ミックスのほうが気になるのは僕だけでしょうか^^;

歌のミックスはピッチ修正からEQやコンプの調整、そして空間系エフェクト(リバーブやディレイなど)の調整など、やることが多いです。ミックスをはじめて間もない方には難しいかもしれません。

今回はボーカルミキシングのなかでも、空間系エフェクトの使い方をピックアップしてお伝えします。この空間系エフェクトが使いこなせれば、歌の存在感をもっと引き出すことができるようになります^^

今回の記事のことを試すと、下の音源のようになります。

ボーカルの音作りについては下の記事をどうぞ。

関連記事 【DTM】ステキな歌に仕上がるミキシングテクニック〜音作り編〜


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空間系エフェクト

空間系エフェクトとは「音に広がりをつけたす効果」のあるエフェクトをまとめた呼び方です。主にリバーブやディレイなどのエフェクトがあります。その中でも今回使うのは「リバーブ」、「ディレイ」、「コーラス」です。

それぞれがどんなエフェクトなのか、カンタンに紹介します。

コーラス

コーラスは元の音をビブラートさせたものをつけたすことで、何人かで演奏しているような効果を出すことができます。それによって音に厚みが出ます。

コーラスの音を左右に広げることで、ボーカルのようなモノラルトラックでもカンタンに広がりを出すことができます。

下にコーラスを使った音源を用意しました。歌にコーラスをかけてあるので、聞き比べてみてください。

・ボーカルにコーラスを使ったもの

コーラスをかけた方はボーカルが左右に広がったのが分かったでしょうか?

ディレイ

ディレイはやまびこのような効果をつけるエフェクトです。ディレイを使うことでどんな音になるのか、下の音源を聞けばすぐに分かると思います。

・最初はディレイ無しで、2回目はディレイありです

リバーブ

リバーブは部屋やコンサートホールなどの響きをつけ足してくれるエフェクトです。これもディレイと一緒で効果がわかりやすいです。

下にリバーブを使った音源を用意しました。2つを聞きくらべれば、リバーブを使った音がどうなるのかすぐに分かると思います。

エフェクトの紹介は以上です。これらの空間系エフェクトを使ってミックスをしていきましょう。

空間系エフェクトの設定

DAWソフトに歌を読み込ませたら、”コーラス”から順に”ディレイ”、”リバーブ”を設定していきます。

コーラスの設定

まず、コーラス用のAuxトラック(FXチャンネル)を作ります。そして、センドアンドリターンで歌のトラックとつなぎます。歌トラックからの送る音量を”0dB”にします。(センド&リターンのやり方は下の記事をどうぞ。)

関連記事 インサートとセンド&リターンの違い

次に、Auxトラックに”コーラス”を入れます。コーラスの場所は [Modulation] > [Chorus] です。

DAWソフトによってコーラスのパラメータは違うのですが、代表的なパラメータは”Rate”、”Depth(width、intensity)”、”Mix(Dry/Wet)”です。

Rate

原音の音程の変わる速さを変えます。値を上げるほど速くなります。やり過ぎると気持ち悪い音になります。少しあげるぐらでかまいません。

Depth

Rateで変わる音程の広さをここで決めます。値を上げるほど音程差が広がります。ここもやり過ぎると気持ち悪い音になります。少しあげるぐらいでかまいません。

Mix

原音とコーラスの音の混ざりぐあいを調整します。ここをめいいっぱい上げるとコーラスの音だけになります。今回はここをめいいっぱい上げておきます。

コーラスの設定をしたら、コーラストラックの音量を調節します。一緒にならしてみて「気持ち悪くないかな〜」ぐらいがちょうど良いです。

もし、コーラスの音がモワモワするなと感じたら、EQでローやミッドを少しカットするなど調節してあげると良いです。EQの使い方は下の記事をどうぞ。

関連記事 【DTM】DAWでのEQ(イコライザー)の使い方とコツ

コーラスの設定は以上です。この時点で歌に広がりが出たと思います。もう少し広がりを出すために、次はディレイを使います。

ディレイの設定

ディレイ用にAuxトラック(FXチャンネル)を作り、センド&リターンでつなぎます。歌トラックからの送る音量を”0dB”にします。そして、”ディレイ”を入れるのですが、今回使うのは普通のディレイではなく、”ステレオディレイ”というエフェクトです。

ステレオディレイは左右で別々のディレイ音を出すことができます。パッと見るといろんなパラメータがあり複雑そうに見えますが、普通のディレイが2つ並んでいるだけです。

ということで、Auxトラック(FXチャンネル)にステレオディレイをいれます。ステレオディレイの場所は [Delay] > [Stereo Delay](ProToolsは”Mod Delay Ⅲ”) です。

DAWソフトによってステレオディレイのパラメータは違うのですが、代表的なパラメータは”Delay Time”、”Sync”、”Feedback”、”Filter””、Mix(Dry/Wet)”です。

Sync

このスイッチを押すと、ディレイを曲のテンポとシンクロ(同期、同調)させることができます。

今回はこのSyncスイッチを入れます。

Delay Time

原音からどれくらいの時間遅れさせるかをここで決めます。Syncスイッチが入っているときは、音符単位で設定することができます。

Syncスイッチを入れて、音符単位で設定しているディレイを”テンポディレイ”と言ったりします。

今回は片方を4分音符、もう片方を8分音符にしてください。左右どちらでもかまいません。

FeedBack

遅れた音をどのくらい繰り返すかをここできめます。今回は”0”にします。

Filter

ここでフィルターをかけることができます。(フィルターについては下の記事をどうぞ。)

関連記事 【DTM】DAWでのEQ(イコライザー)の使い方とコツ

もし、ディレイ音の高音が気になるときはこのLPF(hi cut filter)で少しカットしてください。一緒にディエッサーを使うのも効果的です。(ディエッサーについては下の記事をどうぞ)。

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Mix

コーラスと一緒で原音との音の混ざりぐあいを調整します。ここをめいいっぱい上げるとディレイの音だけになります。今回はここをめいいっぱい上げておきます。

ディレイの設定をしたら、ディレイトラックの音量を調節します。一緒にならしてみて「聞こえる、か、な?」ぐらいでかまいません。(かすかに聞こえるぐらいです。)

これで歌により奥行きが出たと思います。次はさらに奥行きを出すために、リバーブを使います。

リバーブの設定

リバーブ用にAuxトラック(FXチャンネル)を作り、センド&リターンでつなぎます。そして、歌トラックからの送る音量を”0dB”にします。そして、”リバーブ”を入れます。リバーブの場所は [Reverb] の中にあるのですが、Protoolsなら”Air Spring Reverb”、Cubaseなら”Revelation”、Logicなら”SpaceDesigner”を選んでください。

リバーブの場合DAWソフトによっても違いますし、パラメータがかなり多いので、初めのうちは”プリセット”を使いましょう。(“プリセット”とはDAW側でいろんな設定をしておいてくれたものです。)

今回は”plate(プレート)”というプリセットを選んでください。”プリセット”を選んだら、リバーブトラックの音量を調節します。今回も一緒にならしてみて「聞こえる、か、な?」ぐらいでかまいません。(かすかに聞こえるぐらいです。)

あと、リバーブトラックのパンを少ししぼることで、リバーブが他の楽器にうもれることなくボーカルの空間を作ることができます。

これですべて終了です。

もしここまでやって「歌がチョット奥まったかな?」と感じたら、EQで1kHz辺りを少し持ち上げると前に出てきます。

下にここまでやった音源を用意しました。何もしなかったときとくらべてみてください。

・空間系エフェクトを使ったもの

いかがでしたか?

何もしていないものとくらべたら、歌の広がりが全然違うと思います。真ん中にボーカルの空間ができたように聞こえたのではないでしょうか。

“空間系エフェクト”というだけあって、あっという間に空間を作り出すことができます。



仕上げのリバーブ

最後に、別のリバーブを使って曲全体にリバーブをかけ仕上げます。コレをすることで、曲に一体感を出すことができます。

リバーブ用にAuxトラック(FXチャンネル)を作り、それぞれの楽器のトラックとセンド&リターンでつなぎます。

今回用意した音源の場合はテンポが遅いので、リバーブは”広めのホール”を使ってみました。もし、曲調がノリノリの明るいポップスだったら小さめのホールにしたり、ここはあなたの曲に合わせて決めてください。

また、さっき用意したディレイとコーラスのトラックからも軽くリバーブに送るのもありです。ボーカルがより曲になじみます。

下に曲全体にリバーブを使ったものを用意しました。聞いてみてください。

次に、上では伝えきれなかったDAWソフトごとの設定とポイントを説明していきます。(DAWソフトの名前の下にある【~~の説明を開く↓】をクリックすると、説明が開きます。)

ProTools

Cubase Pro

Logic Pro

さいごに

この本は1冊まるまるボーカルのミキシングについて書かれています。

ノイズ除去からボーカルの音作り、エフェクト処理など、ボーカルのミキシングをもっと詳しく知りたい方にはすごくオススメです。

参考 ボーカル・エフェクト・テクニック99

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